トピックス

ホーム > トピックス

トピックス

放射線影響協会が「放射線の影響がわかる本」の改訂版を公開しました

令和2年10月(情報提供:放射線影響協会)

 

 放射線影響協会(佐々木康人理事長)は、放射線や健康への影響を解説した「放射線の影響がわかる本」の改訂版を作成・ホームページで公開いたしました。

 放射線影響協会は、昭和35年(1960年)に財団法人として設立され、平成24年(2012年)に公益財団法人に移行し、本年9月で設立60周年を迎えました。協会は放射線影響等に関する知識の普及や調査研究、放射線業務従事者の被ばく線量登録管理事業や低線量放射線による人体への影響に関する疫学的調査などの活動を行ってきています。今般、設立60周年記念事業の一環で改訂版を公開いたしました。

 「放射線の影響がわかる本」は平成8年に発行されて以降、平成12年(2000年)に増補改定を行いました。平成23年(2011年)3月に発生した福島第一原子力発電所事故以降、放射線の健康影響への人々の関心が高まり、放射線・放射能に関する解説書が数多く出版されてきました。こうした背景を踏まえ、本書を新たに改訂し、公開したものです。

 放射線影響の研究は、近年、細胞や遺伝子の研究の発展に伴って生命の設計図と言われるDNAの研究が進展し、放射線によって傷つけられたDNAの修復や突然変異のメカニズムが徐々に明らかになってきています。また、放射線の影響と「がん」は切り離せない関係にありますが、「がん」についての研究は、遺伝子解析技術の発展に伴って飛躍的に進歩しています。

 今回の改訂では、こうした放射線影響やがんについての最新の研究成果を取り入れて、放射線影響についてこれまでに分かってきたことをできるだけ平易な言葉で紹介することとしました。

 本書は、第1章と第2章で放射線の正体や身の回りの放射線から受けるさまざまな被ばくについて、第3章から第7章で細胞や人体への放射線の影響、がんとは何か、がんはどのようにしてできるのか、がんや遺伝・妊娠・出産と放射線との関係について紹介し、第8章では第1章から第7章までの内容を要約して放射線影響について科学的に分かっていることをまとめました。第9章では放射線の利用と管理の現場における放射線防護の考え方を紹介し、第10章では放射線被ばく事故の事例を紹介しています。

 

今回の改訂では、より多く方々に読んでいただけるように、協会のホームページ上で公開する形を取りました。
http://www.rea.or.jp/wakaruhon/kaitei2020/wakaruhon_main_.html
本書が放射線の影響について、みなさまの理解をさらに深めていただくことにお役に立てれば幸いです。

 

公益財団法人 放射線影響協会
http://www.rea.or.jp/

Copyright © 2013 公益財団法人日本科学技術振興財団