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学生たちが工夫・創作した教材のおもしろさ競う―第1回 放射線教材コンテスト(1)―

 

 2019年3月10日、学生たちが作成した放射線教育用の教材を表彰する「放射線教材コンテスト」が科学技術館(東京都千代田区北の丸公園)で開催された。会場には、小学生から高校生までの児童や生徒も訪れ、教材開発した学生たちは懸命に演示を繰り返していた。同日中に最優秀賞などが選ばれ、表彰式も開かれた。

 

■専門家や教員、生徒も審査

 今回初めて開催された「放射線教材コンテスト」は、放射線の関連分野を専攻する専門学校生、大学生、大学院生らが学校で学んだ知識を活用し、小・中・高校生向けに放射線教育の教材をつくり出し応募のあった11作品の中から、優れた作品に賞が贈られるというもの。募集対象となる教材の形式は幅広く、実験機材や標本をはじめ、マンガやイラスト含む図表、CG・シミュレーション、解説冊子、スライド、紙芝居のほか、指導案や板書計画など。科学技術館内に出展ブースを設けて、来場者に教材を紹介する内容が審査された。

 放射線技師や薬剤師などを目指す学生らにより11のブースが出展された(表参照)。7人構成のチームもあれば、1人での参加もあった。午後1時に実演開始。児童生徒や教育関係者に向けた演示となった。審査には、放射線の専門家のほか、中学校、高等学校の教員、生徒も加わった。出展作品はいずれもユニークな発想が盛り込まれた内容で、見学者も審査員も大きな関心を持って体験し、演示した学生たちに疑問に思うことを積極的に質問していた。

 

■子どもたちに興味を持たせるには?

 1人でコンテストに挑んだ宇田川夏海さん(ブース⑤)は、このコンテストで唯一、小学校の低学年を対象とした教材を作成していた。教材は箱庭のようにつくられており、居間のある住宅をはじめ、来場者はあたかも日常の生活環境を歩き回るかのような体験を通して、身の回りの放射線について学ぶように設計されていた。放射性物質が含まれている場所が、磁力によって表現されている点もこの教材の大きな特長で、来場者は教材の中に再現された環境の中を、疑似的に「探索」しながら、驚きの声をあげていた。

 

 また、茂呂田元さんら(ブース⑨)は、放射線の遮蔽について、粘土を使って学ぶというユニークな教材をつくり、わかりやすく説明していた。年少者にとって馴染み深い粘土を用いていることで、来場者の関心を集めていた。考案した学生の1人は「小学生と中学生を対象にしたかった。雑貨店や文房具店で売っている身近な物で教材をつくり、放射線に興味を持ちやすくしたかった」と語った。

 

 澤知里さんら(ブース⑪)は、放射性物質の除去について学習できる教材を作成。材質の表面の違いによって、放射性物質の落としやすさが変わることについて学べる教材を考えた。この教材では、カーペットや、プラスチック板が用いられており、身近な材料を用いたことによって、来場者の関心を集めていた。

 

 

 

■高度な内容もわかりやすく工夫して

 新井かおりさん(ブース⑧)は、中学生を対象として、放射線の人体影響や防護に関する教材を作成していた。オリジナルキャラクターが登場する親しみやすさ、アニメーションの多用、わかりやすい表現などから、来場者の関心を大きく引き付けていた。

 

 

 大学での研究成果を盛り込んだ教材で関心を集めていたのは、堀拳輔さん(ブース②)。高校生を対象とした教材で、半減期について学ぶことができる内容に、高校生や教員から好評を博していた。大学でどのような研究が行われているか知るきっかけになったという声も聞かれた。

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