授業実践

ホーム > 実践紹介 > 授業実践

教員向け研修会

放射線教育授業実践事例24:福島県南会津町立舘岩中学校

 2015年11月17日(水)、福島県南会津町立舘岩中学校では、1年生の学級活動(50分)を使って「放射線に対する意識を高め、基礎知識を身につけ郷土で生きる力を育む生徒の育成」をテーマに公開授業を実施した。

 

舘岩中学校

 福島県西南部に位置する南会津地方4町村のひとつ、南会津町の舘岩地区にある。全4学級、生徒数34名(2015年11月現在)。首都圏からは、JR東北新幹線「那須塩原」から車で約2時間、日光にも近い山深い町にある。東京電力福島第一原子力発電所からは約140km離れている。

 

放射線に対する意識は低かったが徐々に理解が深まってきている

 

●南会津町立舘岩中学校  坂口 伸 校長 

 

 「本校は、福島第一原子力発電所から遠く離れた南会津地区に位置することもあり、浜通り地区、中通り地区に比べると放射線影響は小さいことから、教師や生徒たちの放射線・放射能に対する意識は低かった」と震災時には田村市の学校にいて2年前に赴任してきた氏は、驚いたと言う。そこで、同じ福島県民として欠かせない「放射線に対する意識を高め、正しい放射線の知識を学習するとともに郷土で安心して暮らせるよう放射線教育を推進してきた結果、徐々に理解が深まってきている」と語る。

 

自分たちが住む地域の放射線量などから身を守る方法を学ぶ

 

●大竹 伸 教諭

 

 冒頭、過去2時間にわたる放射線学習の復習(放射線の性質、外部被ばくと内部被ばく)から始め、本日の授業のねらい「放射線から身を守るための方法を知ろう」を提示。キーワードを「時間、遮へい、距離」とした。

 そして、まず、4人一組の4グループに分かれて、測定器「はかるくん」を使用して学校内の放射線を測ることから始めた。

 


 

 その結果をグループごとに発表。その結果、0.1μSv前後であったこと、校舎の中と外では中のほうが低いという結果から、舘岩地区の放射線量は福島県内でも低いことを理解させた。

 

 次に、ラジウムセラミックボールを使用し、測定器との間にコンクリートブロックを置いて線量の違いを調べ、ブロックを置くことで線量が下がった理由について、グループ討議させ発表。放射線は「遮へい」することができることを理解させ、生徒たちが住む舘岩地区の放射線量がなぜ低いかについて推測させた。生徒たちからは「山に囲まれていたし、福島第一原発から距離も遠かったため」「遠かったため、風で放射能が流れてこなかった」等の考えが示された。

 


 

 その後、原発事故当時の新聞記事見出し「一時帰宅 2時間以内」を例にして、一時帰宅に2時間以内という時間制限を設けたのはなぜだったか、グループ討議・発表させた。「長時間いると放射線量が高くて外部被ばくするから」「2時間以内なら基準以下だから」「長くいると体に害が出るから」などの考えが出た。

 以上を踏まえて、「放射線から身を守るための方法」のまとめとして、①(放射性物質から)離れる ②(放射線を)遮る ③(放射線を受ける時間を)短くする ことが大切だということを学習させた。そして、以上の点をまとめた福島県教育委員会が作成した学習教材(DVD)を視聴し、再確認。授業の感想を記入させ終了した。

 


Copyright © 2013-2017 公益財団法人日本科学技術振興財団