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放射線教育フォーラム第2回勉強会〜放射線学習教材と授業実践への活用(NPO法人放射線教育フォーラム主催)

 

 2015年3月1日(日)、東京慈恵会医科大学高木2号館南講堂において、NPO法人放射線教育フォーラム主催の「放射線教育フォーラム第2回勉強会」が開催され、4つの講演と総合討論が行われました。

 

講演 PPT教材『住民が受けた原発災害』とその授業実践

● 黒杭清治氏(放射線教育フォーラム 教育課程検討委員会委員長)

● 藤井真人先生(千葉県立若松高等学校 教諭) (藤井氏)

 黒杭氏が自ら作成した163ページに及ぶパワーポイント教材を紹介(http://ref.or.jp/download1.html)。それを受けて若松高等学校の藤井先生が、1年生の「情報の科学」の時間を使い、この教材を活用した授業実践について報告し、「2時間の授業でこなすには難しい面もあったが、“学習”を“覚えること”と思っている生徒たちの“考えるきっかけ”になればいいと思う」と話しました。

 黒杭氏は「被災者である住民目線で作成したこの教材は、正解のない問題提起とその回答からできており、思考力・判断力・表現力を試そうとしている大学入試改革における“合科目型”の出題に対応する教材としても利用できる」と述べました。

 

講演 「実験教材の現状と開発、実践における課題」

● 森千鶴夫氏(愛知工業大学)

● 早川一精氏(中部原子力懇談会) (森氏)  

 放射線教育に用いられる実験教材について取り上げ、まず森氏と早川氏が改良、開発したものを紹介。実践における課題などを報告しました。 (1)固体飛跡検出器CR-39を用いたアルファ線放出核種の分布後の取得 (2)モザナイト線源を用いたシャーレ型霧箱 (3)レントゲン模擬実験 (4)簡易手作りGM管とそれを用いた放射線測定  (1)は早川氏が「安価で済み、遮蔽箱や暗室が不要で、様々な物の調査ができる」と紹介。(2)(3)(4)は早川氏が「教材が身近なもので構成され、実験が簡単に行えるおもしろいこと」などを条件に開発、改良したもので、特にシャーレ型霧箱は「すぐに観察ができ、ほとんど失敗がなく、繰り返し使用できる」と報告しました。いずれも詳細な情報提供、一部教材の無償提供を目指すとし、今後も教育現場の先生方と協力して、よりよい教材を開発していきたいと結びました。

 

講演 「小中高における放射線教材と授業への活用」

● 滝沢洋一氏(東北放射線科学センター) (滝沢氏)  

 定期的に放射線講座を実施している東北科学センターでは、アルファ線の飛跡観察を行う霧箱実験、身のまわりの放射線を確認する「ベータちゃん」による実験、放射線測定キットを使った実験などを、それぞれのレベルに合わせて使用していると報告。たとえば霧箱実験では「飛跡がなぜ見えるのかを飛行機雲に例えて説明する」など、興味や理解を深めるための工夫も紹介しました。

 

講演 「霧箱とはかるくんを活用した授業実践の報告」

● 戸田一郎(北陸電力エネルギー科学館) (戸田氏)  

 中高校生を対象に授業を行っている戸田氏は、「放射線教育では、自然放射線の存在を教えることが最優先」と強調。はかるくんを使った実験キットにより、その場所における被ばく量を計算し、それを「今後の目安にすることが重要」と語りました。また、霧箱による放射線の飛跡の観察では、霧箱が小さすぎると飛び込む自然放射線の数が少なく十分な観察ができないので「霧箱の直径はおよそ20cm、深さ7〜8cmは必要」と報告しました。

総合討論

 最後に、講演者を中心とした討議が行われました。黒杭氏は「編集がしやすく、細部までじっくり見せることができるなどのメリットがあるパワーポイント教材は、活用することで放射線教育の可能性が広がる」と話し、早川氏は「霧箱の実験においても、ただ見えたというだけでなく、なぜ見えるのかなどサイエンスの要素がたくさんあるはず」と語りました。会場にいたエネルギー・環境理科教育推進研究所副代表理事高畠勇二氏は意見を求められ、「戸田先生と同じく、放射線教育では自然放射線の存在を理解させることが重要だと思う」とし、「子どもたちは賢い。伝えるべきことを伝えればわかってくれる」と述べました。

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