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コラム第17回

「放射線」と向き合い「現地とつながる」放射線測定活動を通じて(前編)

東京都市大学 原子力研究所 准教授 岡田往子

 2011年3月11日東日本大震災の地震と津波による福島第一原子力発電所事故で放射性セシウム(137Cs、134Cs)などの核分裂生成物が広範囲に飛散しました。その多くは塵や雨として地表、樹木、建築物に降り注ぎ堆積しています。2011年の3月末にいわき市在住の卒業生から、「小学生の息子が野球で使用しているグラウンドの放射能測定をしてもらえないか」と連絡をもらいました。

 その話をきっかけに、5月半ばに、理科教材メーカの方の紹介を通じていわき明星大学の先生を知り、私の考え、活動主旨を伝えたところ、すぐに反応があり、いわき市の教育委員会へのつながりを作っていただけました。

 そのころはいろいろな報道が錯綜していたころで、大学にも「単独で動くな」「地元の放射線測定状況の格差が生じている」などの情報が流れ、一時休止の状態が続きました。

 いわき市ではその間も、教員や教育委員会の手によって日々測定器で空間線量測定が継続的に行われていました。

 私がいわき市に入って活動ができるようになったのは6月半ば頃でした。福島第一原子力発電所から30km圏内の小学校や約35kmに位置するいわき市立四倉第一幼稚園に案内されました。四ツ倉幼稚園は小さな森林が密集した小高いに隣接しており、園舎の山側の部屋の放射線量が日に日に高くなっていく変化を教育委員会の方が、気がつき始めていました。7月から8月にかけていわき市教育委員会主導による校庭の土壌除染活動が実施されましたが、四ツ倉幼稚園では一向に線量が下がらないという状況が続いたことから悲鳴のような連絡がきました。

 さらにその後の調査結果に基づいて検証したところ、幼稚園の敷地から10m範囲内の森林を伐採しても、放射線量を下げるという点で大きな効果がないことがわかり、現地に出かけ、園舎の山側の部屋への放射線量を少なくするための遮へいや除染について地元と私たちで考えはじめました。

 11月には森林の高さ方向の空間線量を測定するために、地元の方々と協力して120cmの風船を揚げ、測定を行い、その結果を検証しています。現在もなお、現地の放射線量は高い状態が続いています。しかし、地元の方々と協力して、今まで経験しなかった難問に立ち向かう活動は大切な活動と置づけています。さらに、教育の場で放射線の知識を普及することが、何よりも大切であることを伝えています。